2020年7月16日
今回はこのほど開かれた日・ロ漁業合同委員会第36回会議の結果についてお伝えします。今年の会議は4月13日?17日、6月15日?18日の期間で、テレビ会議にて開催されました。日本側代表団長を黒萩水産庁増殖推進部長が務め、ロシア側代表団長はサフチュク露連邦漁業庁副長官が務めました。このほか、両国の水産当局をはじめとした関係省庁や民間団体の代表者が出席しました。
協議の結果、漁獲量は昨年と同一の条件となる2050トンとすることで意見が一致しました。また、日本側が負担する漁業協力費の総額は、下限の金額を412万円引き下げ、2億6000万円とすることで意見が一致しました。
具体的には実際の漁獲量に応じて負担する方式を採用し、その上限を3億13万円、下限を2億6000万円とすることとなりました。このほか、日・ロ間の科学技術協力計画についても議論を行った結果、これまで双方が実施してきた、北太平洋におけるサケ・マス類の生態や分布に関する調査など、両国の研究機関による協力を継続することで意見が一致しました。
2020年の日本水域におけるロシア系サケ・マスの漁獲に関する操業条件は、
?漁獲量:2050トン(前年同)
(内訳)
・カラフトマス、ベニザケ、ギンザケ、マスノスケ 1550トン(前年同)
(ベニザケ、ギンザケ、マスノスケは3種合わせて1隻当たり1トン以内)
・シロザケ 500トン(前年同)
?漁業協力費:2億6000万円?3億13万円の範囲で漁獲実績に応じて負担
(前年:2億6,412万円?3億13万円の範囲で漁獲実績に応じて負担)
また、ロシア連邦200海里水域における日本漁船によるロシア系サケ・マスの漁獲に関しては、例年、日・ロ政府間でその漁獲の条件などについて協議しています。
今年の会議は4月13日?17日、6月15日?18日の期間で、テレビ会議で開催されました。ロシア連邦200海里水域においては、2016年から流し網の使用が禁止されています。このため、同水域において、サケ・マス類を漁獲するためには、従来まで使用していた流し網に替わる他の漁法を用いることが必要となっています。
協議の結果、昨年に引き続き、漁船1隻により、引き網による採算性の向上を目的とした試験的操業を行うことについて双方の意見が一致しました。
2020年のロシア水域におけるロシア系サケ・マスの漁獲に関する操業条件
?漁獲割当量 :125トン(前年95トン)
(内訳)ベニザケ : 25トン(前年30トン)
シロザケ : 25トン(前年30トン)
カラフトマス: 70トン(前年32トン)
ギンザケ : 3トン(前年 0トン)
マスノスケ : 2トン(前年 3トン)
?入漁料:約2433万円(前年約2432万円)
?操業期間:令和2年7月31日までの期間のうち、36日間(前年6月1日から6月30日)
以上となっています。 (水産庁国際課)