新資源管理成功への道?日本沿岸漁業の未来?/阪井裕太郎・東京大学大学院准教授

2020年9月30日

阪井准教授

 トップバッターとなるのは、東京大学大学院の阪井裕太郎准教授。昨年11月には米国の沿岸漁業の仕組みについて調査を実施し、リポートをまとめている。米国を調査した阪井准教授の目にみえた日本の資源管理の課題について聞いた。

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 ◇リポートには、数量管理で先行している米国の資源管理でも沿岸3カイリ(約5・6キロ)にはさまざまな配慮がなされているとあります。

 ◆阪井/日本でも、遠洋・沖合漁業と沿岸漁業がありますが、米国でも国が管理する連邦海域と州が主体となって管理する州海域で、漁業の管理が分かれています。米国の場合、沿岸3カイリがその区分の目安ですので、日本と全く同じとはいえないかもしれませんが、構造的には似ています。例えば、ある魚種の総漁獲可能量(TAC)が決まっているとした場合、州海域のみで[....]