新水産基本計画で素案、生産集約や資源管理へ転換鮮明

2017年4月7日

自民党でも新基本計画めぐり10回にわたり活発な論議。あいさつする石破委員長(中央)     

 10年先を見据えた水産政策の方向性を示す新たな水産基本計画の素案が明らかになった。5日の自民党水産基本政策委員会(石破茂委員長)、6日の水産政策審議会(水政審)企画部会で水産庁が報告した。生産、資源管理、産地市場を含む流通など各分野の構造改革の方向性を将来の姿とともに具体的に明記し、水産政策の大きな転換を示す内容となっている。

 石破委員長率いる水産基本政策委員会でも構造的な課題をテーマに踏み込んだ議論を展開してきた。
生産については、5年間で10%以上の漁業所得向上を目的とした浜プランを、PDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルのもと、優良事例などを効果的に反映させ実施していく方向を提示。特に、資源管理・収入安定対策に加入し、漁業経営の中核にいる担い手(約2万2000人)に施策を集中。その生産金額の比率を現在の7割から9割程度まで高め、消費者ニーズに合った安定的な水産物供給ができる漁業の構造改革を明記した。それ以外の漁業者も、環境保全や国境監視などに着目し、地域政策として配慮をしていくことも盛り込んだ。

 資源管理でも、漁獲量の多い主要資源や、広域化または状況が悪化している資源に国が積極的に管理の方向性を示すとし、主要資源ごとに「持続すべき水準(目標管理基準)など資源管理目標を導入」など数量管理による資源管理の方向性を明記した。

 水産物流通にも踏み込み、「従来の多段階的流通の有用性を生かしながら、非効率的な部分を解消し、最も高い価値を認める需要者に消費が効率的に届くシステムを構築する」としている。[....]