廃棄PET漁網を再利用、国内初の資源化施設完成

2023年5月30日

開所式でテープカットする鴨川組合長(㊧から3人目)ら

 長崎・平戸市のJF舘浦漁協(鴨川周二組合長)が環境省の補助事業を活用して建設していた漁網のリサイクル施設が完成し、27日に開所式が行われた。漁協の主力漁業である、まき網船団から回収した廃棄ポリエステル(PET)製漁網を、再生原料として出荷する国内初の専用施設だ。出口戦略も含め、リサイクルの定着と拡大を目指す。

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 「舘浦漁網洗浄リサイクル施設」には、(株)ケンテックが開発した溶剤洗浄装置が導入された。漁網の耐久性を上げるため、網の表面を補強する樹脂を効率的に除去する。

 共同事業者で大手繊維メーカーの帝人(株)アライアンスマネジメント部の西川敏彦部長は、「不純物を十分に取り除き、加工品を作りやすくするために、この洗浄工程が重要だった」と話す。PET漁網はナイロン漁網と異なり、リサイクルの難易度もコストも高く、産業廃棄物としての処理が主流だ。不純物の少ない再生原料化に成功したことで、資源としての価値が見いだされた。[....]