平成に漁船減少し稼働5割が30年超、保険組合まとめ

2019年7月12日

日本漁船保険組合はこのほど、平成時代の30年間における漁船動向と漁船保険の実績をまとめた。昭和時代に漁船は建造ラッシュで右肩上がりに隻数が増大していったのに対し、平成時代は一転して急激に漁船隻数が減少した。平成元(1989)年度の在籍漁船隻数41万497隻が同30(2018)年度には22万3855隻。30年間で18万6642隻(45・5%)減少した。三宅哲夫会長も「このまま隻数減少に歯止めがかからなければ、資源の持続的利用や漁村の維持が危うくなる。令和の時代には、安全で居住性のよい新船建造を計画的に行うべきだ」と指摘している。

平成元年度の漁船保険の組合員数は約18万5500人。30年度は10万9800人で減少率40・8%。在籍漁船隻数は実際に稼働していない船も含まれるが、実稼働している漁船保険に加入している引き受け隻数は、元年度が25万3000隻、30年度が16万2000隻で、9万1000隻(36・1%)減少した。

漁船の減少以上に危惧されるのが、高船齢化だ。引き受け隻数で船齢30年以上の漁船は、30年度で7万6000隻。16万2000隻のうち半数近くが30年以上の船齢となっている。[....]