岩手県の養殖サーモン、開始4年で初の1000トン超

2022年7月22日

最大生産地の久慈でも順調な水揚げが続いている

 全国でサーモン養殖に取り組む動きが広がる中、新興勢力の岩手県がじわりと存在感を高めている。シーズン最終盤に行った本紙調査によると、先週15日現在の累計出荷量は830トン。今月末の終了時には前年比2・1倍の1068トンに達する見込みとなった。県魚・秋サケの不漁を受け、手探りでのスタートだったが、わずか4年で1000トンの大台に到達。魚価上昇を追い風に来年は1520トンへの増産が計画されており、新たな産業としての基盤が固められつつある。

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 岩手県は全国屈指の秋サケ産地で、年間3万?5万トンの水揚げがあったが、東日本大震災を境に減少が顕著となり、昨年度は1000トン台にも届かず、413トンにとどまった。これに伴い漁協が行う定置網事業、魚市場の水揚げ収入も激減。新たな収入源として養殖サーモンの生産を検討する動きが広がった。[....]