宮城イサダ漁2年連続の不漁、昨年の3割で単価5割高に

2018年4月24日

水揚げするイサダ漁船、満船に沸くことはなかった

 宮城県沿岸のイサダ(オキアミ)漁が2年連続の不漁に終わった。主因は漁場を覆い尽くした暖水塊。イサダが分布する冷水帯の南下を阻み、出漁しても「ほとんどいない。空振りばかり」の状況が続いた。漁獲量は「最悪」とされた昨年のわずか3割に激減。単価は不漁、在庫薄を反映して空前の水準に跳ね上がり、関係者は「築き上げたが縮小・崩壊してしまう」と危機感を強めている。

 今期は漁獲枠を前期と同じ1万5000トンに設定。解禁日を「在庫がない。少しでも早く水揚げしてほしい」とする買受人の要望を受け1週間ほど早い2月22日に前倒しして幕開けした。しかし、漁獲は不振を極め、解禁から半月たった3月7日にようやく初水揚げ。強風で操業自粛を強いられる日も多かったが、何より「どこを探してもイサダが見えない」という異常な海況が響いた。14日で操業を断念。結局は前年比69・7%減の2248トンで終わった。

 浜値は在庫の払底、食用向け加工の需要増大などから「高騰必至」とされたが、キロ100円を超す「考えられない水準」(買受人)で推移、平均は前年比53・8%(45円)高の129円。JFみやぎは「数量が少なく浜値が上がっても焼け石に水」と、来年の好転を切に祈る状況だ。[....]