奈良県天川村/山の中でトラフグ養殖、「冬の新たな名産に」

2020年6月1日

「名産づくり」に取り組む下西氏

海のない奈良県の、それも奈良市など中心部から約70キロ離れた山あいの地。人口1400人ほどの「天川村」で、トラフグの陸上養殖が始まったと聞いた。どのような目的で始めたのか、トラフグで町おこしを進める同村での話を聞いた。

       ◇       ◇       ◇

 「昨年5月から稚魚を養殖し始めた。現在は10トン水槽で約120尾を育成している」と話すのは、同県吉野郡天川村で「地域おこし協力隊」として、トラフグの養殖試験に取り組む下西勇輝氏だ。廃校になった小学校の教室を利活用した陸上養殖で生産している。

 「地元に新たな冬場の名物をつくりたい」と、同村産業建設課の弓場儀一郎課長と阪中平八主事らがトラフグ養殖を行おうと模索。海水を必要としない好適環境水を研究する岡山理科大学の山本俊政教授のもとを訪ね、相談した。当時は同大の学生だった下西氏がその後、縁あって天川村で養殖に携わることになった。[....]