太平洋マサバABC倍増の104万トン、水産機構評価

2018年12月4日

 水産研究・教育機構は11月30日、横浜市でサバ類太平洋系群資源の評価会議を開き、2019年漁期(19年7月?20年6月)の生物学的許容漁獲量(ABC)案を報告した。提案したマサバABCの最大値は、18年漁期の2倍超の104万9000トンに増加。17年に509万トンと推定された資源の大幅な回復状況が反映された。
 ABC案はいずれの漁獲シナリオも18年漁期にマサバ漁獲可能量(TAC)の基準となったABCの49万8000トンを上回った。資源量の増大に予防措置を取る場合の最低値でも65万9000トンで、18年に採用した「親魚量を維持しつつ漁獲量を最大にする」のシナリオだと、104万9000トンまで増加する。根拠は、卓越年級群となった13年生まれ以降も極めて高い加入を示す16年生まれなどが大幅に上方修正され、17年生まれも高水準を維持。18年生まれの資源量推測値は、現在の調査手法が始まって以降、最高の243億尾と評価されている。その結果、16年に390万トンだった資源量は、17年に過去最高の509万トンと推定された。
ただ、親魚量は17年に90・6万トンで、「高水準期(1970年代)に比べ親魚が占める割合は低い」。資源水準は、高位(92・5万トン以上)に限りなく近い「中位」とした。[....]