大西洋メバチTAC超過で乱獲状態、ICCAT委評価

2018年10月22日

 大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)の科学委員会が1?5日にスペイン・マドリードで開かれ、2017年のメバチの資源評価が「乱獲状態かつ過剰漁獲」(神戸チャートで最も危険度が高いレッドゾーン)であったと報告した。同海域では総漁獲可能量(TAC)を上回る漁獲が続いており、前回(15年)の資源評価(レッドゾーン)から、さらに悪化した。
 大西洋のメバチは16、17年のTACは6万5000トンだったが、両年ともに7万トン以上、TACの2割超過の漁獲となった。欧州連合(EU)や日本、ガーナなど国別割当をもつ先進漁業国は枠を順守している一方、漁業開発の権利を理由に枠の制約を受けない途上国の漁獲が増加している。
 特にブラジルは急激に増加。集計上の理由からこれまで約3000トンとしていた漁獲報告を約7000トンに大幅修正した。セネガルやコートジボワールなどアフリカ沿岸国の漁獲も増えている。
 科学委員会は、現行のTAC6万5000トン内に漁獲が収まると仮定した場合でも、33年までに健全な資源状態(グリーンゾーン)を達成する確率は50%を切ると報告。TACと漁獲の削減は不可避な状況となっている。[....]