加ロブスター新潮流・ギドニーフィッシャリーズ報告(上)

2017年6月20日

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HPPを施したロブスターの身肉を取り出す

 ロブスターの一大生産地・カナダ東部ノバスコシア州にあるギドニーフィッシャリーズ(ロバート・マクドナルド社長)。カナダ初の間接加圧方式のHPP(高圧処理加工)装置を新工場に導入し本格稼働を始めた。「トレンドはHPP加工品に移りつつある」とする同社の新工場を3回で紹介する。

 ギ社は1892年創業。品質にこだわり、ノバスコシア州の中心地ハリファクスから車で高速道路を使い片道3時間のディグビーを本拠地とし、契約漁師から良質な活ロブスターを買い付け。大手水産会社やIT関連の経験のあるマクドナルド社長は新工場、新HPP導入などを積極的に展開する。

 カナダのロブスターは年間7万5000トンの漁獲があり、カナダ海洋漁業省(DFO)が定めた厳しい漁業管理により守られている。ノバスコシア州などカナダ東部にまたがる海域を41のエリアに分け、脱皮の時期には捕獲しないように時期をずらしながら漁場をオープン、クローズしていく方式だ。漁法は決められたサイズのトラップ(かご)で行われるが、規制やサイズ制限も厳しい。

 今回、現地を訪れたのは5月下旬。ちょうど付近の漁場がクローズされる少し前だったが、浜値が過去最高だった昨年よりもさらに上がっていることが話題になっていた。[....]