先住民文化と命の連鎖学ぶ、道定置協が秋サケ食育講座

2017年10月17日

命をつなぐサケの役割やサケ料理も作り方を学ぶ親子たち

 北海道定置漁業協会と札幌消費者協会は、サケが人間や生態系に果たす大切な役割や、サケの食文化の歴史などを学びながら、おいしい食べ方を知ってもらおうと、10月4日と9日に札幌エルプラザで市民と親子を対象に秋サケの魅力を伝える食育講座を開いた。

 4日は「鮭文化の歴史と美味しく食べる知恵」をテーマにした講習会で、講師の高井瑞枝氏が北海道のアイヌ民族やアラスカのエスキモーなどの世界のサケの食文化を紹介。アイヌにとってサケは神から与えられた特別な魚で、自分たちに必要な分だけを獲って、ルイベ(寒風にさらして凍らせたもの)や塩漬けにして、頭から尻尾まで一尾丸ごと生かした食べ方をしている点を強調。

 9日には親子を対象に「秋サケはどこから来るの??さけから学ぶ、いのちのつながり」をテーマにした講習会が開催され、小学生と保護者計30人余りが参加。元・道立水産孵化場長の河村博氏が、サケ・マスの仲間、秋サケの一生を解説、サケと人間の暮らしが強く結び付いていることや、野生サケは体重1キロで海に旅立ち、4000倍の体重になって戻って来て、最後はホッチャレ(河川遡〈そ〉上親魚)となって森・川・海の命の循環をつくる重要な役割を担っている点をことを伝えた。[....]