優良サケ・マス選抜飼育、水産機構がサツキマスで成功

2018年10月15日

 水産研究・教育機構瀬戸内海区水産研究所は、海水飼育したサツキマス(淡水育ちでアマゴ)を閉鎖循環の淡水水槽へ逆馴(じゅん)致させて成熟、採卵することに成功した。12日に水産機構が発表した。海水由来の疾病を淡水域に広める恐れがないため、海面養殖に適した系統の選抜が可能になる。ほかのサケ・マス類でも有効性を確認できれば種苗生産に新たな提案もでき、国内サーモン養殖の振興が期待できる。
 アマゴは海水での飼育に適した個体同士を掛け合わせることで、より優良な系統を獲得できる可能性が高い。淡水水槽を閉鎖循環にすることで疾病の拡散を防ぐうえ、飼育水にもカルキ抜きをした水道水を用いたことで、原虫などの混入も防止できる。海水馴致後に好成長した親魚候補を2017年5月から陸上で飼育し採卵、18年1月からふ化仔魚を飼育している。今後は海水馴致後の成長変化を見極めるとともにギンザケ、サクラマスへの応用も検討し、国内サーモン養殖に貢献する。[....]