低水温消え近海カツオ漁模様好転、JAFICが研究会

2017年5月2日

研究者のほか水産団体や漁業関係者らの多数参加し、熱心に報告を聞き入った

 漁業情報サービスセンター(JAFIC)は4月28日、平成29年の盛漁期を控えて、JAFIC漁業情報研究会「日本近海カツオ漁の動向をさぐる」を開いた。日本近海に北上を妨げる19度C以下の低水温域が出現、4月上旬までは東日本中心に不漁に苦しんだ。だが、中旬以降に低水温域は解消。小笠原?伊豆諸島近海で漁本格化の兆しがみえたことを確認した。

 前半は全国各地の水産研究機関の担当者が漁況を報告。ひき縄などによる沿岸のカツオ漁は、宮崎や高知では3月以降に数量がまとまりやや持ち直したが、和歌山は26年の不漁時を思わせる低調なペース。千葉は4月中旬まで漁獲自体がほとんどみられないなど東西で明暗がくっきり分かれた。

 原因と推定されたのは日本近海に東から広がりをみせた低水温域。和歌山県水産試験場の小林慧一氏は「黒潮は接岸したが、過去最悪だった26年と同様、低水温域が張り出していた」と分析。ちょうど低水温域張り出しの端に当たる高知の漁獲が、比較的良好なことにも注目した。[....]