[1087]中部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第13回北小委員会の結果について

2019年11月28日

 クロマグロで2点の措置合意、未利用分繰越率を17%に。

 9月3?6日まで、米国のポートランドにおいて、開催された中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第15回北小委員会の結果についてお知らせいたします。昨年に引き続き太平洋全域における太平洋クロマグロの効果的な取り組みを目指し、WCPFC北小委員会とIATTC(全米熱帯まぐろ類委員会)の合同作業部会が併せて実施されました。

 WCPFCは、中西部太平洋における高度回遊性魚類(マグロ、カツオ、カジキ類)資源の長期的な保存および持続可能な利用を目的とした地域漁業管理機関です。北小委員会は、主に北緯20度以北の水域に分布する資源(太平洋クロマグロ、北太平洋ビンナガ、北太平洋メカジキ)の資源管理措置について本委員会に勧告を行うWCPFCの下部組織です。

 会合には日本、韓国、米国、カナダ、クック諸島、台湾がメンバーとして、IATTCメンバーであるEUおよびメキシコ、NGOなどがオブザーバーとして参加しました。

 我が国からは太田水産庁資源管理部審議官、宮原農林水産省顧問(北小委員会議長)ほか、水産庁、外務省、経済産業省、水産研究・教育機構および業界の関係者が出席しました。

 主な会合結果は以下のとおりです。

(1)太平洋クロマグロ

 会合期間中に開催されたIATTCとの合同作業部会において以下を議論しました。

1.現行措置のレビュー

 増枠について一部慎重な国があったため、全体数量の増枠には至りませんでしたが、2020年の措置として以下の2点が合意されました(※1)。

(ア)漁獲上限の未利用分に係る繰越率を、現状の5%から17%へ増加。

(イ)大型魚の漁獲上限を、台湾から日本へ300トン移譲。

(※1)2021年以降の措置については来年検討

2.漁獲証明制度の検討

 漁獲から輸出入に至る主要な段階において、漁獲物の動きを記載した書類を政府等が認証する制度について、引き続き、議論を継続していくこととなりました。

3.長期管理方策の検討

 暫定管理目標達成後の更なる管理目標や漁獲管理ルールについて、引き続き、議論を継続していくこととなりました。

(2)その他

 今回の「北小委員会」の参加国は6カ国で定足数(8カ国)に達しなかったため、12月の年次会合期間中に北小委員会を開催し、合意事項の正式採択を行うこととなりました。

(3)次回(令和2年〈2020年〉)の北小委員会は日本で開催されることとなりました。

(水産庁国際課)