世界の養殖、初の前年割れ/FAO

2020年11月18日

 国連食糧農業機関(FAO)は、2020年11月版の世界食料レポートで、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、20年の養殖魚生産が前年比1・3%減少する見通しが濃厚になったと予測した。養殖生産が前年を下回るのは「長年で初の出来事」と指摘。漁業生産も前年をやや下回る見通しで、「新型コロナの影響は長期化する可能性が高い」とみている。ただ、その一方で、利便性を重視した製品革新をはじめ、新たな流通チャンネルや流通の短縮化なども同時に起きているとし、これらの変化が水産食品産業に「利益をもたらす可能性が高い」と予測している。

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 今年6月に発表したレポートと比較して、漁業生産は6月のマイナス1・7%減から0・7%減に上方修正された。世界各国によるウイルス封じ込め対策の効果によるものだが漁船の操業規制や市場環境の悪化の影響は完全には避けられず、前年を下回ると予測。この影響は一過性のものではなく、「長期化」すると分析している。[....]