世界のイカ釣り漁業/未管理水域で操業拡大

2023年3月13日

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イカ釣り漁船の年別操業実態(2017~20年)

 人工衛星画像や船舶自動識別装置(AIS)による船舶の追跡データなどの分析から、イカ釣り漁船が世界の管理されていない海で操業を拡大していることが分かった。米国時間10日、米国の科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に研究成果が掲載された。イカ漁船の86%が排他的経済水域(EEZ)外や地域漁業管理機関(RFMO)で管理されていない海を渡り歩き操業し、調査した2017年から20年の4年間で漁獲努力量を68%増やしているという。直接的な違法操業には該当しないものの、資源への悪影響を含めた管理の隙をついた操業に、世界の包括的な対策の必要性を指摘している。

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 世界のイカ釣り漁業の実態は、カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校のキャサリン・セト教授を筆頭とする研究者が、グローバル・フィッシング・ウオッチ(GFW)、ウーロンゴン大学豪州国立海洋資源安全保障センター、水産研究・教育機構(FRA)と協力し、論文としてまとめた。夜間の光(可視・赤外線)を検出できる衛星画像センサー(VIIRS)を使った集魚灯の動きや、AISデータから世界のイカ釣り漁船の動きを追跡・分析している。[....]