下関くじら文化振興室長・岸本充弘博士に聞く/鯨肉の新しいファンづくりを!

2020年8月25日

市民目線での情報発信を行う岸本室長

 商業捕鯨再開から1年。近代捕鯨発祥の地・下関は、「くじら日本一のまち」としての街づくりを続けている。今年4月にはさらに取り組みを推進するため、観光スポーツ文化部文化振興課に「下関くじら文化振興室」がつくられた。主幹・課長補佐で同室長を務める岸本充弘博士に話を聞いた。

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 ◇捕鯨産業関係者には念願だった商業捕鯨が再開されてから1年が経過しました。

 ◆岸本室長/商業捕鯨になって1年がたつが、多くの市民にとっては目に見えて変わったという印象はもたれていないと思う。これまでさまざまな点からクジラに携わってきている私にも大きく変わったところは説明できない。特に下関市と関わりの深い母船式捕鯨を中心に話をしていく。

 一つは調査捕鯨から商業捕鯨になったといっても、市場原理が働いていないことが挙げられる。また、共同船舶の社長に所英樹氏が就いたが、就任したばかりということもある。[....]