三陸イサダ漁獲好調も残し打ち切り、需要低迷に在庫重く

2019年4月24日

 久々の満枠達成に向け、順調に漁獲を積み重ねていた三陸のイサダ(オキアミ)漁が先週末、漁獲枠を残したまま操業打ち切りとなった。冷凍加工を行う大手買受人から「釣り・養殖向けの餌需要がともに低迷し在庫が満杯。これ以上は買えない」との声が続出。終漁を要請する異例の事態に生産者が応じた。ただ、漁師にとって「目の前の魚を指をくわえてみているだけ。そんなの悔しい」というのが本音。加工業者にも「食用向けの需要は旺盛。まだ足りない」との声が一部にあり、誰もが納得する需給のあり方を大きな課題として突き付けるシーズンとなった。

 今期の漁獲枠は、岩手、宮城ともに、前期と同じ1万5000トンに設定。岩手は2月21日、宮城は3月1日から水揚げを開始し、ともに4月末までを漁期としていた。

 昨年は岩手県沖に漁場が偏り宮城県で極端な不振となった。今年は序盤こそシケや、魚群が深い水深にとどまるなど、漁獲しづらい状況が続いたが、3月中旬から状況が好転。4月に入ると魚群も浮上し好漁場が両県沖に形成された。終盤にかけては別種の甲殻類が混じるなど、若干の品質低下もみられた。在庫の圧力もあり、宮城は17日、岩手は20日に終漁とした。[....]