ヤリイカが10年ぶりふ化成功、佐渡のあげしま水族館

2018年6月15日

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斑点もはっきりしたヤリイカの赤ちゃん=新潟大学付属臨海実験所提供

 新潟県佐渡島・相川地区北狄の尖閣湾揚島遊園あげしま水族館(佐藤義寿館長)で飼育中のヤリイカが10年ぶりに産卵し、愛らしい赤ちゃんが多数ふ化している。「佐渡奉行も食べていたヤリイカ。ふ化は漁業全体が勢いづく朗報だ」と漁業関係者らの間で明るい話題になっている。
 体長は4?5ミリ。透明で丸みを帯びた斑点の体色が印象的で、元気で活発な動きをみせている。
 水族館が4月下旬に島の北端に近い鷲崎沖で獲れた約40尾を生きたまま譲り受け、飼育観察用中型水槽で試験飼育したところ、6月2日に初産卵が確認され、5日夜から順々にふ化し始めた。卵はゼリー状(幅最大15センチ、長さ約1・8メートル)で、海水取り入れ口付近に産み付けられた。
 ヤリイカふ化の知らせを聞いた新潟大学理学部付属臨海実験所(所長・安東宏徳教授)も教材として記録・観察。北橋隆史特任助教は、「大きく育つかどうかをみていきたい。ヤリイカは約1年で約40センチにまで育ち、産卵後は死ぬが多くの子孫を残す」と解説し、成長に熱い期待を寄せていた。佐藤館長は「なかなか見られないと思うので、体の色や動きを観察してほしい」と話している。[....]