メバチ資源評価「受け入れられぬ」日かつ組合長が表明

2019年1月10日

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「メバチ資源評価は受け入れられない。是正すべきだ」と訴える山下組合長

 日かつ漁協の山下潤組合長は8日に開いた年頭会見で、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)海域のメバチ資源評価に対し、日本のマグロはえ縄業界として、「メバチ資源が健全であるという評価は全く受け入れられない。早急に是正すべきだ」と訴えた。2019年の年頭に漁獲が低迷する操業実態と乖(かい)離しているだけでなく、資源評価に使われた成長式への疑念を強く指摘した。
 2017年のWCPFC科学委員会で、メバチの資源評価はこれまでの乱獲状態から健全に大きく変更された。新しい成長式と海区割の変更が結果を大きく変えた。各国はこの資源評価を受け入れ、日本だけが反対意見を述べた。山下組合長は「太平洋で操業している日かつ漁協所属船は全船、メバチ資源の悪化を長年にわたり肌で感じている。操業実態から資源が健全な状態であるとは全く考えられない」と理由を説明した。
 資源評価の新しい成長式では最大体長を変更。より小さい152センチ超のメバチが漁獲されることになった。「日本にとって全く受け入れられないもの」(山下組合長)。日本のはえ縄が漁獲量を下げ、釣獲率も著しく落ちている一方、外国の大型まき網漁船はFAD操業を拡大し、メバチの混獲量を増加させている。楽観的な資源評価に基づき、実効的な集魚装置(FAD)規制が行われない状況が続けば、メバチ資源の悪化は止まらない。[....]