ムスリム市場開くハラル「SUSHI」マレーシア報告

2018年10月17日

ムスリムたちで賑わう「SUSHI KING」店内(マレーシア・ペナン島)

 海外からの観光客が3000万人に迫ろうとする中、世界の2割を占めるイスラム教徒(ムスリム)に対応したハラル食への関心が高まっている。水産物を使った寿司とはいえハラルをクリするのは容易ではない。マレーシアでムスリム向けの回転寿司店を成功させた日本人・小西史彦氏が経営する「SUSHI KING」の現場を、東京都在住で実家が水産業を営む鶴本光太郎氏が現地ルポする。
 「ハラル」とはイスラム教において「許されているもの」を意味し、いくつかの禁忌があるイスラム教の信徒が使用または、食べることができるものを示す。素材から処理方法まで厳しい基準がある。
 マレーシアに一大回転寿司チェーンを興した日本人、テクスケム・リソーシズ会長、小西史彦氏がいる。小西氏は裸一貫からアジアでも有数の企業グループを形成した経済界の英傑だ。1995年にマレーシアに回転寿司の「SUSHI KING」の1号店を開店し、現在では同国内に回転寿司店をおよそ130店舗展開するまでに成長させた。
 訪問したのは、ペナン島随一の商業施設の中にある店舗。店内はほぼテーブル席で埋まり、ファミリー層に向けた店づくりをしている。値段は寿司が一皿2・20?6・60RM(リンギット、日本円で約60?180円)ほど。マレーシアでは中間層の間でも寿司ブームが広がっているのだ。[....]