マグロ漁船をカイゼン、検討会が気仙沼で中間報告会、

2018年10月31日

中間報告会では模型も使いながら超低温区画内の作業を検証した

 マグロはえ縄漁業の船上作業効率化の方策を探る、まぐろはえ縄漁業生産性向上カイゼン検討会(会長・亀谷寿朗北かつ組合長)の中間報告会が29日、気仙沼市役所で開かれた。アイスグレーズの作業工程に具体的な改善案を出すなど改善点を報告、漁業会社や関連産業者らと導入に向け検討した。
 宮城県北部鰹鮪漁業組合、気仙沼遠洋漁業協同組合、日かつ漁協ほか乗組員OB、関連業者で構成、気仙沼市も取りまとめ役として参加。トヨタ自動車東日本の協力を得て、生産現場の見直しから効率化を図るトヨタ方式の「カイゼン」の考えが漁業現場にどう導入できる、昨年6月から検証を重ねていた。今年5月からは「凍結室内作業」「投縄作業」「食料品管理」の3テーマに議論を集約している。
 超低温区画内の作業でマイナス60度Cの中、100キロ超の魚体を人力で持ち上げる場合、「簡易な台やスロープを使い作業エリアを平たんにすれば、労力を軽減できる」と提案した。
 船内作業をイメージできるよう実際にアイスグレーズの作業に使うタンクなどを用い、機材や作業工程を確認。全員で作業を検証した。幹縄と枝縄の連結を自動化する機械の模型も紹介された。
 亀谷会長は「互いに情報を共有し、最適な手法を探していけば、若い世代が入りやすい環境づくりもできるはずだ」など、具体的な成果への発展に期待を込めた。[....]