マグロとスシとクロアチア?/キッチンに国境はない

2019年6月14日

料理界だけでなくファンが多い長島シェフ

 クロアチアのザダル市で開催された「ツナ・寿司・ワインフェスティバル」のメインイベントに協力した東京エアポートレストラン(株)取締役執行役員で総料理長を務める長島博氏は、2008年に厚生労働大臣による「現代の名工」、13年には黄綬褒章受章の栄に浴したこともある料理人でありながら、常に勉強を続ける姿勢とその飾らない人柄が多くの人を引き付ける。現地の印象や今後のクロアチアでの可能性について語る。

◇     ◇

 フェスティバルには昨年に続き足を運び、今年は「豚の角煮」を振る舞った。現地の水は硬水なので豚肉を硬くさせないためにひと工夫。日本から乾燥させたうの花を持参した。その量は実に2キロ。前日から仕込んだこのひと手間のおかげで、豚肉は軟らかく余分な脂は抜け、おいしさはゲストに好評だった。

 「キッチンに入ると国境はない」という長島総料理長は、クロアチアの若いシェフとともに豚の角煮を作り上げた。[....]