タイ相場下落、行先失う「祝い魚」

2020年5月1日

 春先になって魚体がほんのりピンクに色づいた「桜鯛」など、卒業式や入学式など慶事が続く春は「祝い魚」とも呼ばれるタイの需要期だが、今年はめっきり出番が減り相場にも大きな影響を与えている。年間約6万トンを生産する養殖マダイ、年間2万トン前後を漁獲する天然マダイともに相場は下落。みえない先行きに関係者は頭を抱えている。

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 東京・豊洲市場における養タイの大相場はキロ500?600円程度で推移しているが、一部には400円近いものも。ホテルや外食店など業務向けが主体の2キロアップなどの大型サイズは全く流れないが、1?1・5キロ程度の量販店向けサイズは総合スーパーなど内食需要を取り込んでいる販売は増加。とはいえ、全体の相場を押し上げるほどの力強さはない。[....]