スルメイカ19年TAC3割減の6万7000トン提示

2019年2月4日

 水産庁は1月31日、農林水産省会議室で記録的な不漁が続くスルメイカの2019年漁期の漁獲可能量(TAC)設定に関する意見交換会を開き、TAC制度を導入した1998年以降で過去最低の6万7000トン(前年比31%減)とする案を示した。資源は日本海、太平洋ともに悪化しており、正式に決まれば、TACは4年連続で過去最低を更新する。

 日本海で漁獲する秋季発生系群の資源は「中位・減少」。資源量は2015年以降減少しており、18年は67万トン。親魚量はBリミット(回復措置が必要な水準)を下回り、「資源回復が必要な状況」。1999年以降の秋季の高水温化により再生産成功率(産まれてから生き残る確率)も悪化している。

 2017年の漁獲量は、日本が3万3000トン、韓国が5万2000トン。中国、北朝鮮も不明で、ロシアは16年から増加傾向にある。資源評価には日本と韓国のデータが用いられている。

 太平洋で漁獲する冬季発生系群の資源状態は「低位・減少」。資源量は15年以降減少し、18年は15万3000トンで、推定値がある1979年以降で2番目に低い水準になる。親魚量はBリミットを下回り、「資源回復が必要な状況」と判断された。[....]