スルメイカ減少傾向、外国漁船も影響―水産機構が評価

2017年12月4日

 水産研究・教育機構は11月30日、横浜市内で2017年度スルメイカ資源評価会議を開き、日本海中心の秋季発生系群と、太平洋中心の冬季発生系群の最新の資源評価を報告した。いずれの系群も日本船の漁獲低迷が報告される一方、増加する外国漁船の動きが無視できう状況などを指摘した。
 秋季発生系群の資源水準は昨年と同じ「中位・減少」。17年の資源量は96万8000トン(前年90万6000トン)、親魚量は47万8000トンと推定され、Bリミットの40万5000トンを上回る。18年の生物学的許容漁獲量(ABC)は6万3000?12万9000トンと算定した。
 16年の漁獲量は日本が2万6000トン、韓国が5万6000トンで、ともに減少傾向。同系群の漁獲量に占める韓国の比率は近年60%を超えている。中国の漁獲は、韓国の研究によると20万トン前後あると推定されるが、資源解析には採用しておらず、北朝鮮の漁獲量に関する情報もない。
 漁獲減少の要因は「日本海全体の高水温化で、夏と秋の本州沿岸域がスルメイカの生息に不適な環境になり、再生産成功率(RPS)が低下したと考えられる」(日本海区水産研究所の担当者)ためだ。[....]