シラス混入のフグ稚魚「食品安全上問題なし」研究成果

2019年10月17日

 シラス加工品へのフグ稚魚の混入問題について、「食品安全の観点から問題はない」とする研究結果を新潟食料農業大学の長島裕二教授らがまとめた。東京・江戸川区で4日まで開催された日本食品衛生学会でポスター発表し、「自治体の保健所や衛生研究所の方などから多くの反響を得た」と述べた。

 シラス加工品にはタコやイカの幼生をはじめ多様な生物が混入するが、2014年に売場でフグ稚魚の混入が確認されると、大きくクローズアップされた。長島教授は東京海洋大学在任中から加工業者の協力を得てフグ稚魚の種類判別と毒性を調査してきた。

14年からの4年間で日本沿岸の12府県でシラス加工品に混入していたフグ稚魚63ロット・71検体を調査。加工場と加工日が同じものを1ロットとし、全国各地からサンプルを収集。魚種を特定すると、シロサバフグ44、シマフグ10、ナシフグ7、コモンフグ5、ショウサイフグ3、トラフグ1、クサフグ1で、最多だったシロサバフグはすべて毒素、テトロドトキシン不検出。検出されたフグでもほとんどが食品安全の基準である10MU/グラムを超えなかった。[....]