サンマ昨年超すか、来遊しやすい海況とJAFIC予報

2017年8月4日

 漁業情報サービスセンター(JAFIC)は2日、岩手・大船渡魚市場で開催した水産関係者との意見交換会で、今漁期前半のサンマ来遊予想を発表した。漁況は9月上旬から上向き、漁場は昨年よりも沿岸に近く操業しやすい環境で、不漁だった昨年を上回る漁獲が想定されるが、2010年以降で最も多かった14年に及ばない。大型魚主体だが200グラム級の特大は少ないと報告した。

5月から実施した公海サンマ試験操業と、釧路水産試験場の漁期前調査の結果に、海況と過去の漁場分布の関係を照らし合わせ予想。JAFIC漁海況部の渡邉一功部長代理が報告した。

 沿岸の北上群を獲る流し網で漁況は乏しく、沖合からの来遊群を待つことになる。そのため、大型船の出漁直後に好漁の期待は薄いが、9月上旬から中旬になると、道東沖で漁獲が本格化する。

 釧路沖の暖水塊がなく、日本沿岸へサンマが来遊しやすい海況にある。道東に接岸した魚群は親潮第1分枝に沿って南下し、10月に入ると三陸沖へと到達。漁場は昨年よりも沿岸に近く、操業しやすい環境になりそう。仮に昨年と同じ資源量だとしても「数量は稼げるだろう」と話す。[....]