サバ缶使いやすさが人気、17年生産統計

2018年6月22日

 日本缶詰びん詰レトルト食品協会(日缶協)は20日、2017年の国内の缶・ビン詰、レトルト食品の生産統計を発表した。料理での使い勝手のよさや健康志向などの理由で需要が伸びている「サバ」は3万8977トン、前年比5%増となっており、特に水煮缶は16%増の大幅な伸長をみせた。
 水産缶詰全体は9万8566トンで、前年の10万1665トンから3%減となったが、サバは5%増。15年に最も生産量が多かったツナ缶の「マグロ・カツオ類」を、16年続いて上回った。味噌煮が前年比4%減、味付けが6%減だったが、水煮が16%増と全体を牽(けん)引した。
 理由として、缶詰は骨を気にせず食べられ、テレビで取り上げられるなどして知名度が上がったこと、特に水煮缶の調理レシピが増えたことなどが挙げられる。原料も小型で缶詰向きのサイズで脂が乗った高品質のものが多く調達できた背景があると思われる。サバ缶を生産している大手水産会社では「工場はフル稼働で生産設備キャパシティーの上限に達している」と話す。その中で「味に関係なく全体的に増えている」「水煮缶で前年比40%以上(下期)伸びた」といった声も聞かれている。
 ほかに増加したのは「イワシ」が14・4%増の4749トン、「アサリ」が34%増の520トン。減ったのは「マグロ」で3・6%減の2万4429トン、「カツオ」も8・6%減の9516トン。[....]