コロナ禍、水産物需給動向は不透明に

2020年6月17日

FAO魚価指数(2002-04=100)

 2020年の世界の水産物需給動向は、世界中に広まる新型コロナウイルスにより、想定外の大きなダメージを受けており、今後ともその規模・経過の変化がどう展開するか、見通せない状況が続く。国連食糧農業機関(FAO)と食糧情報早期警戒システム(GIEWS)が6月の「フードアウトルック」で述べた。

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 発表された19年の水産物供給総量(概算)は前年比1・4%減の頭打ちで、19年の水産貿易額も、地政学的緊張激化から生じた貿易摩擦の影響を受けて、2・8%減となった。また、当初、20年の供給数量・貿易金額は19年比で回復が見込まれていたが、期中に発生した新型コロナの多大な影響により大幅な修正が見込まれる、と分析する。

 世界各国がウイルス封じ込め作戦として?国境封鎖?営業時間短縮?移動制限?などの政策を取る中で、まず、外食産業に店舗閉鎖の深刻な打撃が表面化し、[....]