ゲノム編集魚を市場初投入

2021年9月22日

届け出を終え販売が開始される「22世紀鯛」

 リージョナルフィッシュ?(本社・京都市、梅川忠典最高経営責任者〈CEO〉)は17日、東京・千代田区の新丸の内ビルディングで記者会見を開き、ゲノム編集したマダイの流通に関する届け出を同日付で農林水産省、厚生労働省に提出し、販売を開始することを発表した。国内でゲノム編集技術応用食品が販売されるのは「GABA」といわれるアミノ酸を増やしたトマトに続き、2例目。国の手続きを経て市場投入する動物としては、世界で初の事例となる。

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 販売するのは、従来の育種系統よりも可食部が約1・2倍以上(最大1・6倍)に増えたマダイ。飼料利用効率が14%ほど向上しており、生産の効率化と、環境負荷の低減を実現した魚となっている。通常のマダイとは異なり、約8億あるゲノムのうち、筋肉の増加を抑制しているミオスタチン遺伝子に関わる14塩基を欠失させ、働きを抑えている。遺伝子組み換えのように外部から遺伝子を組み込むのではなく、ゲノム編集技術で、自然界でも起こり得る変異を人為的に発生させている。[....]