ギンザケ「越夏」なるか

2022年3月11日

クリックで画像を大きく表示します

浮沈式イケスのイメージ図(日東製網提供)

  岩手・釜石市の沖合でこの夏、ギンザケの「越夏」に挑む試験養殖事業が行われる。20度C以上では生きられない冷水系魚種のため、国内の通常漁場では不可能とされてきたが、網の高さを変更できる特殊イケスを導入。表層が生息限界まで昇温したら深場へ沈め、落ち着くまで?避暑?させるという取り組みで、成功すれば外国産に引けを取らない超大型魚や高単価が見込める抱卵魚の生産が可能になる。日本はもちろん、世界にも前例はほぼないが、需要増大が続くサーモン養殖の可能性を広げる試みとして成功が期待される。

  •      ◇      ◇

 事業は2年前に発足した産学官連携組織「釜石地域サクラマス海面養殖試験研究コンソーシアム」が実施。漁場を有するJF釜石湾漁協が代表者、定置網の(有)泉澤水産が実施主体となり、日東製網(株)が製造した「浮沈式イケス」で越夏試験に臨む。[....]