ガラパゴス化する水産物輸入、国際価格と大幅乖離

2017年8月23日

 ピークだった2001、02両年には年間380万トンにも達した輸入水産物だが、すでにそこから4割近くも落ち込み、海外マーケットで“買い負け”が募る日本市場。ただでさえ不足する水産資源だが、果ては国産原料まで大量に海外市場に買われる時代になった。

 今年1?6月の水産物輸入は約117万トン、およそ8100億円で、数量は前年同期より4・4%伸長し、金額は7・2%増えた。3月以降は4か月連続で前年同月を上回ったが、震災後で供給不足に陥った12年春季以来5年ぶりのことで、年明け直後までのマイナス基調から方向転換し始めた。

 とはいえ消費が順調だから輸入が上向きとなったわけではない。ここ2、3年来、秋サケの来遊不振やサンマ、カツオ、イカやホッケの大不漁、さらには低気圧被害によるホタテの大減産や道東鮭鱒の実質消滅など、北海道や東北の基幹産業を支えてきた主力魚種が壊滅的に減少したことで、加工原料の不足を補う需要が顕著になってきたためとみられる。しかし先進国だけでなく、新興国や、開発途上国と呼ばれていた国・地域にも特定の魚種が買われる時代になり、日本の商社は多くの魚種で熾(し)烈な多国間競争にさらされている。[....]