カツオ相場が急回復

2021年10月18日

 宮城県の気仙沼港で生鮮カツオ相場が急回復している。新型コロナウイルス禍による業務筋需要の低迷と豊漁が重なり、記録的な安値で推移していたが、今月に入って一変。需要が緊急事態宣言などの解除で増えた一方、供給が水揚げペースの鈍化などを背景に減ったため、半月足らずで平均を5割前後も押し上げた。地元関係者は、「今年は豊漁貧乏に泣かされてきた。できるだけ長く続いてほしい」などと終盤の巻き返しに期待を寄せている。

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 気仙沼港では5月11日の第1船入港を皮切りに切れ目なくまとまった水揚げが続き、先月末現在の累計数量は前年比2・3倍の3万370トンに達した。サイズの主体が多くから引き合いのある「中」「大」だったため、例年であれば相場への影響はそれほど大きく表れないが、コロナ禍に伴う業務筋の需要激減が響いて「未曽有」とされる低水準にまで暴落。平均は過去10年で最低のキロ169円(前年239円)に低迷していた。[....]