ウナギの遊泳生態解明

2022年3月7日

超音波発信器を装着したウナギの追跡起動。図中の丸(○)は放流地点、クロス(×)は追跡終了地点を示す

 水産研究・教育機構は2日、日本近海の黒潮域で放流されたニホンウナギは強い海流で北東に流されながらも南に向かって遊泳し続け、産卵場のマリアナ海域へ向かうことが明らかになったと報告した。産卵回遊中の遊泳生態を解明してマリアナ海域にたどり着く親魚数を増やすことで、ウナギの資源回復に活用できる可能性がある。

 水研機構の研究チームは、2010年と12年に水産庁が漁業調査船・照洋丸で実施した調査において、ニホンウナギ成魚に超音波発信器を装着し、日本近海の黒潮域や産卵場のマリアナ海域で放流して追跡した。日の出とともに海に潜り、日没とともに浮かんでくる浅深移動については14年に報告していたが、今回は当時のデータから水平方向の移動について分析。全体の移動から海流の流れを差し引き、ウナギ自身の遊泳方向と速度を抽出した。 [....]