アイスランド、24年以降に捕鯨中止

2022年2月8日

 アイスランドのスバンディス・スバーバルスドッティル漁業・農業大臣は4日(現地時間)、商業捕鯨を現在の割当が終了する2024年以降に中止する方針を示した。最大輸出先国である日本が商業捕鯨を再開し、需要が激減したことなどが要因。同国の19?23年における年間捕獲許可枠はナガス161頭、ミンク217頭となっているが、現地では捕鯨会社の撤退などもあり、ここ3年間でミンク1頭の捕獲にとどまっている。日本への輸出は17年1152トン、19年に1243トン以後は記録がないものの、再拡大に期待を寄せる声は強まっていた。

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 捕鯨中止の一報を受けて日本の捕鯨関係者は危機感をあらわにしている。日本、ノルウェーと並び商業捕鯨を続けている数少ない同国の決断は、「捕鯨の終わり」を世界にアピールする象徴として利用されかねないためだ。(株)ミクロブストジャパンの志水浩彦社長は、「国際的な枠組みでみて日本の立場はさらに悪くなる。再度、捕鯨業界全体で対応を考えていかねばならない。国際捕鯨委員会(IWC)に代わる、新たな捕鯨の国際組織を設立する必要がある」と指摘した。[....]