おいしさ届け、宮城のホヤ

2022年6月28日

さまざまな健康機能成分が豊富に含まれるホヤ

 宮城県が誇る特産品・ホヤがこの夏、注目を集めている。鮮度落ちが早く「産地で獲れたてを食すに限る」とされてきた珍味だが、より広く、多くの人においしいホヤを届けたいという業界関係者の熱い思いと不断の努力で、県外でも楽しめるさまざまな方法が生み出されている。東日本大震災以降、官民による取り組みで開発されてきた数々の加工品に加え、今年は生鮮品を遠隔地でも食べてもらうための鮮度管理手法も確立。ユニークな食材の消費拡大に向けた取り組みや創意工夫が凝らされた商品の数々を紹介する。

       ◇       ◇       ◇

 ホヤは人間が感じられる5つの味、塩味・甘み・酸味・苦味・うま味を併せもつ特異な食材。後を引く甘みは「どんな日本酒も銘酒にする」といわれ、酒好きの愛好家も多い。豊富な栄養素も大きな魅力の一つで、必須ミネラルの亜鉛は100グラム当たり5・3ミリグラムと海産物の中でもトップクラスの含有量。ほかにも鉄やビタミンB12、ビタミンE、グリコーゲン、さらには認知症研究で注目されているプラズマローゲンなど、さまざまな健康機能成分を豊富に含み、まさに?スーパーフード?と呼べる食材だ。[....]