「関サバ」厄介者に泣く、サメの食害やゴマサバ混獲

2019年7月11日

素早く脊髄を切断し氷水で冷やす関サバ・関アジの活〆作業

 大分県が全国に誇る一本釣りのブランド魚「関アジ・関サバ」の漁獲量が減少している。JFおおいた佐賀関支店によると、組合員も資源量も「じわじわ減って」いるが、昨年は特にサメによる釣り上げ途中の食い荒らしと、ゴマサバの大量発生で「9?11月はまともに漁ができなかった」という。今シーズンの漁は始まったばかりだが、決め手のない“厄介者”対策に、今年も頭を悩ませている。

 サメは例年、水温が高い夏の盆前後に漁場となる豊予海峡に来遊する。昨年は9月を過ぎても姿を消さず、長期にわたり針に掛かったアジやマサバを食われる被害が続いた。例年よりサメの魚体が大きかったことも問題で、組合員による自主的な駆除が困難だったという。

 加えて昨年は、ゴマサバが漁を妨げた。疑似餌の付いた釣り針は表層のゴマサバが先に食いついてしまい、下層を泳ぐアジと中層を回遊するマサバまで届かなかった。ゴマサバは「関サバ」の対象外。例年は「持ち帰っておかずにする程度」の数量だが、昨年秋は大挙して押し寄せた。2018年度の漁獲量はアジが前年比73%の126・809トン、マサバは25・549トンで49%と半減した。[....]