「清水サバ」微細な泡で高鮮度、高知県漁協ブランド化

2017年4月21日

FB発生装置を導入した畜養水槽で元気に泳ぐ清水サバ

 サバを1尾でも多く刺身でも食べられる高鮮度状態で生かし、県外へ販売し漁業者に還元する取り組みが、高知県土佐清水市で行われている。微細気泡のファインバブル(FB)を新たに導入して活魚を安定出荷、認証制度の確立や消費地への当日到着便など、あの手この手でブランドを育てている。

 JF高知県漁協清水統括支所が管理する「清水サバ」は、足摺沖で生け獲りしたゴマサバを支所内にある5基の冷却水槽で蓄養し、販売する蓄養期間は2?3日が限界で、シケが続くと欠品になった。

 岡林大志支所長は「ブロワ(エアポンプ)だけでは酸素が溶けきらず、魚は高ストレス状態」と推測。昨年8月に水槽内の酸素濃度を上げるFB発生装置を導入したところ、蓄養期間を1日伸ばすことに成功した。魚はゆっくり泳ぐようになり、スレの発生や消耗による体重減も少なくなった。
 装置は陸上水槽内だけでなく、船の魚倉にも導入。「導入船は斃(へい)死率が下がり、夏場は特に違いが際立った」(岡林支所長)。水産庁の浜の活力再生広域プランを活用、今年度は隻数を増やす。

 空輸による当日便も一昨年から始めた。高知空港を午前10時台に出る航空便で首都圏や関西圏へ送っている。早ければ午後2時30分に都内の飲食店に着く。今月17日に活魚輸送も再開させ、6時間半かけ神戸の居酒屋へ週2便走らせる予定。ブランドを守り育て、広めるため奔走する。[....]