「海業」本格始動へ

2022年6月7日

 今年度から新たな漁港漁場整備長期計画がスタートした。目玉となっているのが海業(うみぎょう)だ。「海や漁村の地域資源の価値や魅力を活用する事業をいい、国内外からの多様なニーズに応えることにより、地域の賑わいや所得と雇用を生み出すことが期待されるもの」と改めて定義し、漁港において今後5か年でおおむね500件の取り組み件数を目指す。新型コロナウイルスがやや下火の傾向をみせ始める中、訪日観光客(インバウンド)回復への期待も強い。

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 「海業」という言葉自体は決して新しいものではない。神奈川・三浦市の久野隆作元市長(故人)が30年以上前に提唱し、海がもつあらゆる魅力を広めていくという意味の取り組みは古くから行われている。三浦市でも交流施設などの設置や地元飲食店、鉄道会社とのコラボレーションを加速させ観光客の増加により税収増につながったという。[....]