「カツオ高知に取り戻す」、オール高知で「県民会議」

2017年4月12日

分科会座長らが壇上に上がり「日本へカツオを取り戻そう」の思いを共有した

 高知、日本へカツオを取り戻そうと、高知県の産官学による「高知カツオ県民会議」の設立シンポジウムが10日、高知県民文化ホールで開かれた。食品企業関係者や漁業者ら約300人が参加。漁業関連産業や県民の食素材だけでなく誘客にも大きく寄与するカツオ資源が危機的状況にあることをまず高知県民が共有、全国へも発信し、国民運動に広げて水産外交を後押ししていくことを確認した。

 県民会議は高知県の尾?正直知事を会長に「情報発信」、「食文化」、「消費・漁業」、「資源調査・保全」の4分科会で構成する。

 高知県の「県魚」であり、同県経済にとっても重要なカツオだが、漁獲量の低減傾向に対する県民の危機感は薄い。しかし平成15年ごろまで約400トンあった県内沿岸のひき縄漁業による水揚量は、26年以降3年連続で100トンを切る状況が続く。資源の悪化を背景に、国際商材として関係各国の利害対立も激しさを増す中、資源減少を証明する科学的データも不足していることから、本格的な漁獲制限などにはつながっていない。

 参加者は「手軽にカツオを食べた最後の世代となるか、未来に残す活動を始めた最初の世代になるか」「高知でやらずどこでやる」「を動かす原動力にしたい」などと、熱く訴えた。自民党水産部会長の中西祐介参院議員も駆け付けた。基調講演した茨城大学の二平章客員研究員は「海外でもカツオの来遊が減り困っている小規模漁業がある。連携の中心になってほしい」と、助言した。[....]