「神戸チャート」で資源見える化、水産庁が新評価手法

2019年3月11日

 水産庁は7日に都内で水産政策審議会資源管理分科会を開き、水産改革で進めている資源管理目標を定めた新しい資源評価の検討状況を報告した。過去の資源量の推移と比べる方法から、資源水準と漁獲圧力が最大持続生産量(MSY)水準と比べて適正か否かを示す方法に移行。国際的に用いられている「神戸チャート」で示すことで、「資源状態を視覚的にひと目で分かるようにする」と説明した。

 資源管理目標として、「目標管理基準値」(MSYを達成できる資源水準)と、「限界管理基準値」(生物学的に安定した再生産を期待できる親魚量の下限値、Bリミット)の案を提示する。

 現行の評価は、資源水準が過去20年以上の推移からみて「高位・中位・低位」のいずれか、資源動向が過去5年間の推移からみて「増加・横ばい・減少」のいずれかにあるかで示す。今後は「資源水準と漁獲圧力がそれぞれMSYを達成できる水準と比較して適正か否か」を示す方法に移行する。

 算定方法は、再生産関係(どれぐらいの量の親がいれば、どれぐらいの量の子が生まれることが期待できるか)のデータなどを用いる。再生産関係のデータが一定程度蓄積されている資源は、資源評価が行われている50種84系群のうち22種37系群ある。[....]