Vol.65  今年は鯨肉で夏バテ知らず!

洋食にも合う鯨肉

洋食にも合う鯨肉

 猛暑予想の今夏。何の対策も講じなければ食欲は落ち、夏バテに直行だ。実は、暑くなる前に体調を整えておくことで夏バテは防ぐことができる。抗疲労効果のある「バレニン」を多く含む鯨肉で今年の猛暑を乗り切ろう。

暑くなる前の対策が“肝”

クジラのたたき

クジラのたたき

 猛暑予想の今夏。何の対策も講じなければ食欲は落ち、夏バテに直行だ。実は、暑くなる前に体調を整えておくことで夏バテは防ぐことができる。抗疲労効果のある「バレニン」を多く含む鯨肉で今年の猛暑を乗り切ろう。

 鯨肉と聞いて学校給食の竜田揚げやステーキを思い出す人も多いが、新潟や山形などでは、昔からクジラの皮と季節野菜を入れた「くじら汁」を夏の農作業で消耗した体力回復のために食べる習慣があり、今でも郷土食として親しまれている。

定番の竜田揚げ

定番の竜田揚げ

 クジラの皮には100グラム当たりDHA、EPA合わせて7700ミリグラムも含まれ、わずか13グラム(生)で一日の摂取量を取ることができるスーパーフードで、この機能性を知らない昔の人も食べることでその効果を感じていたのだろう。また、クジラの油には肝脂肪蓄積を防ぐ効果がみられたという研究結果もあり、ダイエット効果にも熱い視線が注がれている。

 最近の研究では皮だけでなく、赤身にもさまざまな機能性があることが分かっている。それがイミダゾールジペプチド類の一種「バレニン」。クジラは半年間も絶食状態の中、出産し、数千キロも不眠で泳ぎ続ける。その力の源がバレニンなどのイミダゾールジペプチドで、この成分は疲労物質の乳酸の蓄積を抑制する力があることが分かっている。また、最近ではヒトに対する研究で認知症にも効果がある可能性があることが分かってきた。認知症は超高齢化社会の中で患者数が増加傾向にあるものの、特効薬はまだ見つかっていない。

無限の可能性秘めた食材 築地場外のクジラ料理専門店「鯨の登美粋」

松本宏一代表(左)と小泉澄子料理長

松本宏一代表(左)と小泉澄子料理長

 築地仲卸業者直営の「鯨の登美粋」の松本宏一代表は鯨肉のおいしさだけでなく、その健康機能性を広めようとしている一人。常連客の中には「次の日の体調が明らかに違うと疲れたら鯨肉を食べに来店されるお客さまも。また翌日、二日酔いがないという方もいらっしゃる」(松本代表)と、すでにその機能性を体感している人も多いという。「鯨肉は高タンパク、低カロリーのうえ、鉄分やオメガ3、バレニンも豊富に含まれ、特に美容や健康を意識する女性に最適な食材」(松本代表)と太鼓判を押す。

 鯨肉といえば調理が難しいイメージがあるが、小泉澄子料理長は「鯨肉は魚料理でも肉料理でも何でもできる無限の可能性を秘めた食材。ちょっとしたコツでおいしくなる」と話す。同店では今月15日から料理のコツを紹介したレシピサイト「くじられしぴ」(http://www.kujira-recipe.com/)を開設、順次料理を増やしていく予定。松本代表は「家庭で簡単に作れるレシピを載せていくのでぜひ参考にしてほしい」と話す。今年の夏は、夏バテ予防に家庭でもクジラ料理を勧めてほしい。

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