Vol.108  サバ缶ブームの次はイワシ缶

サバ缶の次はイワシ缶が注目

 2月は節分の季節。節分には恵方巻を食べるという習慣に加え、イワシを食べる西日本の風習も徐々に全国的に浸透してきた。簡便、即食の代表である缶詰は、一昨年あたりからサバ缶ブームの再来に合わせて同じ青物のイワシ缶にも注目が集まってきた。そんなイワシ缶に限定して着目してみた。

料理素材として注目の水煮

「いかにおいしい缶詰を食べていただくか」と森田課長役

 2月は節分の季節。節分には恵方巻を食べるという習慣に加え、イワシを食べる西日本の風習も徐々に全国的に浸透してきた。簡便、即食の代表である缶詰は、一昨年あたりからサバ缶ブームの再来に合わせて同じ青物のイワシ缶にも注目が集まってきた。そんなイワシ缶に限定して着目してみた。

 イワシ缶の前にまず、サバ缶ブームの再来が現場ではどうだったのか、マルハニチロの家庭用加工食品ユニットグロッサリー事業部市販用缶詰課の森田出課長役に聞いてみた。

 「従来あまり缶詰を手に取らないお客さままで手に取ってもらえた。以前だとサバ缶の利用方法が分からないということだったのが、お客さま自らが交流サイト(SNS)などを利用して料理素材として“水煮”缶を使った料理を発信したことで、一気に広がりをみせたと思う。加えて健康にもよいなどテレビなどで取り上げられたことでサバ缶専門の本が出るほどのブームになった」と振り返る。

 さて肝心のイワシ缶だが、その伸びは製品によっては300%と大きく伸長しているという。「海外からの廉価品も入ってくるようになり、サバ缶ブームは落ち着いてきた。そのような中で、次にスポットを浴びているのがイワシ缶。こちらもサバ缶と同じように料理素材としての活用で広がりをみせている」と森田課長役。そして以前はイワシというとオーバル缶(楕〈だ〉円の缶)が多かったのが、最近は円形の丸缶も出てきているのが変化だという。

簡単しあわせレシピに載っている人気の「いわしレモンのバゲットサンド」

 「一昨年、釧路の前浜で9月から約2か月揚がる脂乗りのよいイワシを鮮度のよい状態で製品化した『釧路のいわし』シリーズを丸缶で発売した。昨秋からは全国販売に切り替えたが、販売先で好評だ」と話す。種類は味噌煮、味付け、水煮の3種類。イワシの日は10月4日だが、節分の季節にも同社オリジナルレシピなどを活用した企画提案を行っている。

 「サバ缶で缶詰消費のベースの底上げはできているので、いかにおいしい缶詰をお客さまに食べていただくか。鮮度や品質へのこだわりは妥協せずに、原料がどうしても手当てできない場合はほかの製品のご提案をするなどしてバランスを取って、安定供給に努めたい。同時にまだ缶詰を備蓄製品と思っているような人には利便性や弊社のホームページにある“簡単しあわせレシピ”などを紹介しながら缶詰の普及を行っていきたい」としている。

同レシピサイトに載っている「いわし和風パスタ」

 同社の“簡単しあわせレシピ”(https://www.maruha-nichiro.co.jp/recipe/index)は、商品ごとや、料理ジャンルごとなどにレシピを閲覧することができ、イワシ缶については現在「いわしレモンのバゲットサンド」など人気のレシピ24件が載っている。

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