Vol.71  若い主婦層に自宅おせちの勧め

元旦は手作りおせち

元旦は手作りおせち

 今年も残すところあとわずか。正月には家族揃って、おせち料理を囲む人がほとんどだが、手作りで揃える家庭はどのくらいあるだろうか。現状に一石を投じようと「お正月ニッポンプロジェクト」の事務局を務めるねり製品メーカーの紀文食品は、お正月のいわれや伝統、おせち料理を伝える取り組みを行っている。今月、おせちを作ったことのない若年主婦層を対象に料理教室を開き、新たな需要を喚起する取り組みを実施。その模様を取材した。

学生落語家とタッグを組む

SHIORIさんがポイントをレクチャー

SHIORIさんがポイントをレクチャー

 昨今では、おせち料理も元日一日だけという家庭や、そもそもお正月のいわれやおせちに込められた意味などを知らない人も増えている。また、完成したおせちを購入する家庭も年々増加傾向にある。そこで同社では、平成21年に正月のいわれなどを伝える「お正月日本プロジェクト」を開始した。

 さらに一歩踏み込んだ取り組みにするため、昨年、試験的に実施したおせち料理教室は、予想を上回る評価があり手応えを感じた同社は、今年規模をさらに拡大し実施。今年は「はじめてのおせち」と題し、結婚情報誌「ゼクシィ」の協力のもと、新婚の人を中心に若年主婦層でおせちを作ったことがない人に限定し、参加者を募集。東京会場では、首都圏から約60人が参加した。 

約60人が参加

約60人が参加

者を募

 「女性がおせち料理を用意しようと思うきっかけは結婚と出産が最も多い。人生の節目や家族ができることが大きな動機になる」(同社)と話す。実際、参加者に話を聞くと「今年、結婚し実家を出たので、少人数向けのおせちの作り方を知りたくて参加した」「家族の健康を考えて、少しでも手作りしたい」などの声が上がっていた。
 おせち料理といえば、一から材料を揃え、3段重を詰めるとなると、あまりにもハードルが高い。ましてや世帯人数が減少傾向にある中、伝統を踏まえつつも、家族形態に合わせた現代的なスタイルに変えていくことも必要だ。

カマボコの飾り切り例

カマボコの飾り切り例

 おせち教室では、1人分ずつ詰める銘々重を紹介。講師を務めた料理研究家のSHIORIさんは「奇数の料理を盛り込むことが基本。中心を決めて、奥から順に同量を詰めていくときれいに仕上がる。伝統的なものだけでなく、洋風のアレンジ料理など、食べたいものを加えてほしい。最初のハードルを低くすることが大切」と話す。また、自身の料理教室で実施しているおせち料理の講座は即座に満席になる人気ぶりだという。

 「日本では年間62万組が結婚しており、まだまだおせち作りを伝える余地はたくさんある。手作りできるようになると、義母に褒められたという女性も多い。ぜひ全国の料理教室でも、おせち料理の講座を実施してほしい」(同社)。

 参加者が家族の喜ぶ顔が見られるだけでなく、
若年主婦層の需要創出は、食品メーカーや流通業にとっても、新たな商機につながるのではないだろうか。

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