Vol.104  消費増税追い風にテークアウトで魚食開拓へ

備長炭で焼いた本格干物が自宅で味わえる

 10月から始まる予定の消費税率の引き上げを前に、外食産業では軽減税率対策としてテークアウトやデリバリーサービスの導入が相次いでいる。増税で外食店での飲食は10%に引き上げられるが、店内で食べずに持ち帰りにすると軽減税率の対象になり消費税は現行の8%になる。そこで外食店の多くがデリバリーやテークアウトのサービスを導入し、ビジネスチャンスにつなげようとしている。魚の干物焼きなどを提供する外食店「ひもの屋」((株)subLime、花光雅丸社長)でも新たに干物弁当のテークアウトを始めた。増税対策としてだけでなく、この機会を干物を食べるきっかけづくりにしようとする同社の取り組みを追った。

本格干物を食卓に【ひもの屋】

伊東部長

 「ひもの屋」は全国に40店舗を展開し、本格的な干物を食べられる店として知られる。ブランド干物や大ぶりの干物を備長炭で焼き上げることで家庭では出せない味を提供している。

 同社は消費増税を意識し、1年前からデリバリー事業を開始。弁当類など全30種類を揃え「予想以上に伸びている」(伊東一臣subLime営業本部ME第一事業部部長)と手応えを感じている。利用者は店舗近隣の人が中心で「家で干物が食べたくなった時に利用されるケースが多いようだ」と分析。なかなか家で炭焼きで干物を調理することは難しいので、熱々に焼いた干物をすぐ持ってきてくれるサービスは重宝する。

テークアウトメニューの例

 今年6月からはテークアウト事業を開始。直営店6店舗を対象に実施し、まずは弁当5品で試験的に導入した。「まだ始めたばかりなので本格的な動きはこれから。増税後の動きをみて、品揃えを変えるなど具体的な対応をしていきたい」という。

 「当社は日本の伝統食材である干物や魚のおいしさを伝えたいという思いでやっている。店舗でおいしいものを提供するのがやはり基本で、そこからデリバリーやテークアウト需要も伸ばしていきたい」と話す。ただ懸念していることもある。「最近は魚種ごとのまとまった原料の供給が少なく、サイズも揃いにくくなっている。大規模なチェーン展開は厳しくなってくるだろう」と昨今の水産資源の不安定さに外食店も原料手当ての厳しさを隠せないようだ。そこで同社は現在の原料事情を考慮し、一尾丸ごとの干物を提供するだけでなく、少量多品種をひと口サイズ大にした串メニューを提供するなどして対応。「大きさを調整することで手の届きやすい価格になっていて、いろいろな魚種が試せると想定以上にお客さんの評判もよい。定番の干物だけでなく、さまざまな魚種の干物があるので、ぜひ多くの人に食べてみてほしい」と話している。将来的にはご当地色をより出した店舗展開も目指しており「自社で原料から干物を作るなど特徴をより出していきたい。産地などとも一緒に取り組むことができたら」と話している。

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