Vol.42  外食チェーン、おいしさ求め国産魚に熱い視線

フェアメニューの一つ「宇和島の真鯛ピラフZen」

 これまでステーキやハンバーグといった肉メニューを数多く提供してきたロイヤルホストが今、注目しているのが「国産水産物」だ。今夏、本格的に国産水産物に挑戦した「瀬戸内・土佐めぐりフェア」は予想をはるかに超える反響があり、国産の水産物がいかに日本人にとって魅力的な食材であるかが証明された。大量ロットと均一化された食材が求められる全国展開の外食店だが、その中で国産水産物が脚光を浴び始めている。

手間を惜しまず、時間をかける

「年2 回は同様のフェアをやりたい」と目標を語る

 なぜ今、国産水産物なのか。外食店では定量・定品質の輸入凍魚が定番だ。

 「社会に対して貢献することを目的に事業展開できないかと模索してきた。初め日本の農業について学び、九州と同じ面積が休閑地になっていることを知った。産地の厳しい状況は水産業も同じ。日本各地にはさまざまな魅力ある食材がある。少しでも現地に足を運び、よい食材を掘り起こし、お客さまに食を楽しんでいただきたいと考えた」と、佐々木徳久ロイヤルホスト取締役営業・企画本部長は話す。

 低価格レストランがもてはやされた時代、同社は社会貢献と経営の両立を目指す方向で大きく舵を切った。その取り組みの一つが、日本の食材に目を向けた「Good JAPAN」プロジェクトであり、「瀬戸内・土佐めぐりフェア」だ。フェアでは、瀬戸内のタコやタイ、アナゴなどを使ったメニューを展開。「フェアに向け、試食した時、水産物が本当においしくて驚きました」(佐々木取締役)と、企画する側もそのおいしさのとりこになった。

 しかし課題もある。不安定な水揚げに、店側の柔軟な対応が求められることだ。今回のフェアで、お客からの評価が非常に高かったアナゴの水揚げが開始直前から不安定になり、急きょ、ほかの食材で代替を余儀なくされた。店側から事情を話すと、お客は理解を示してくれたが「やはり楽しみに来てくれた方に対して心苦しかった」(同)。

担当者が現場 に通った

 再び水揚げが始まると、本部の担当者が現地に飛び、生産者にアナゴの捌き方を教わりながら、加工作業を手伝った。「生産者の方も休日を返上して加工を行ってくれた。四国に弊社の店舗はないが、一生懸命に取り組んでいただいた。特に自然相手のものは、店側の考え方が大切になると思う。熱意をもちながら、とにかく手を掛けることが大切」(同)という。

 国産水産物を使用した新メニューは、すべての準備が整うまで、従来メニューの約3倍、1年間の期間を要した。「時間はかかるが、反響はすごいものがある。今後はこのようなフェアを年2回はやりたい。グランド(通常)メニュー化も図っていけたら」と、国産水産物に熱い視線を注ぐ。

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