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Vol.10  全国公募の“もえ”キャラが営業「静岡もえしょくプロジェクト」

 水産加工品を含む食品を従来と違う消費者層が手にする動機作りのため、キャラクター(以下、キャラ)を使うやり方がある。今を時めくアニメや漫画、プロ漫画家やイラストレーターがデザインしたキャラとのタイアップは、大手を中心に水産でも多用されてきた。販促効果は絶大で、機会があればだれもが1度は試したい手だ。ただ、着手しようにも最初は「著作権絡みで多額の費用や煩雑な契約が必要では?」とか「作者のファンだけしか買わないのでは?」と、だれもが心配になることだろう。そんな中で「もえしょくプロジェクト」なるビジネスが、水産県・静岡で注目を浴びている。キャラを使った消費や魚食の活性化策の最新動向をまとめた。

静岡もえしょくプロジェクト ? ニジマス、干物、深海魚も擬人化 ?

ミニストップの「侵略!?イカ娘」キャンペーン

 「もえしょくプロジェクト」は静岡県のあらゆる名産品を、全国に散らばるプロアマ問わない絵師(漫画・イラストを描く作者)の皆さんの協力を得て、擬人化(人以外のものに人の性質や特徴を与えて表現する比ゆ法)。新キャラとして命を吹き込んで、名産品の営業販促ツールとして活用していくビジネスだ。

 1年半前に企画を立ち上げたのは、インターネットコンテンツの企画・制作会社の「ハイスペック」(静岡県三島市、諸星真孝社長)。「もえしょく」の“もえ”とは、アニメや漫画のキャラへの愛情を示す言葉の「萌え」や「燃え」のこと。だが、最初の募集対象となったのは“もえ”とは一見無縁の、静岡市清水区?アルトラの「もつカレー」と、富士宮市柿島養鱒?の「ニジマス」だった。そもそも擬人化ができるのかと思わせる無理難題が、全国の絵師の挑戦心に火をつけた。「静岡で無茶な企画をやってるぞ」。ネット上でたちまち話題になった。

 今や利用企業は約20社。“もえ”と無縁だった企業がほとんどだ。「まず商品がおいしくないと始まりません。『キャラを作れば売れる』との安易な考えの方には再考を促しています。キャラを社員にするくらいの気持ちで、商品と同じく可愛がってほしいんです」(佐野亘統括部長)。

                 人気の「百都かれん」

 

柿島養鱒のニジマス製品「鱒財缶(そんざいかん)」

 また、特定の作者のファンではなく、子供時代にアニメや漫画を見たことがある程度の、ライトな層にも受け入れられそうな絵を選ぶ。「もつカレー」のキャラ「百都かれん」も、小さな子、孫をもつ高齢者に大人気。アルトラの「もつカレー」は売上増に反転し、現在は清水の「もつカレー」全体の広告塔としても、イベントで引っ張りだことなっている。

 グランプリ作品には懸賞金も出るが、絵師らは必ずしも賞金目当てではないケースが多いという。「イラストはなかなか発表の場がないんです。絵師の方々は遊び場であるとともに、発表の場としても活用しています。スタッフが全部の絵に付ける寸評も楽しんでいただいているようです」(同)。プロの卵が多いため、費用もプロに比べかなり割安。彼らは収入以上に、自分の絵が有名になることを望む。それが漫画業界への売り込みにつながるからだ。絵師がPRに協力する例も多い。

 水産分野の利用者はニジマスのほか、下田・大木水産の干物、沼津・橘水産の深海魚などで県東部にとどまっている。諸星社長は「もっと西にも」と、意気込んでいる。

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