Vol.46  お魚を野菜と一緒においしく

 魚単体で売り上げを伸ばすのは、現在の人口構成や生活習慣で限界があるのだろう。ならば、野菜と手を取ることで、魚を食べる機会を増やせないか。それぞれにおいしい魚と野菜は、合わせることで飛躍的に「うまい」と感じる場面が多々ある。だしがそのよい例だろう。何よりも全国の「農漁村」には、野菜+魚の郷土料理は各地に存在する。豊富なバリエーションと確かな味で、メニュー提案しやすいはずだ。

ブリ大根を現代食へ

商品パッケージ。いずれの商品も、単身者や高齢者、共働き世帯などを購買層に
想定し、1パック180入り。希望小売価格は298円(税別)

 全国農業協同組合連合会(JA全農)は、昨年から「いただきます日本のごちそう」をテーマに、国産農畜産物を素材とした「全農ブランド」の販売を開始した。主力のカテゴリーであるチルド惣菜では「国産具材のおもてなし」シリーズとして、「大きめ具材の筑前煮」や「柔らか白もつ煮込み」など、野菜もしくは野菜プラス肉を原料としてきたが、今年は水産物を採用した商品も開発。11月下旬の販売を予定する。
 新商品「ほっこりぶり大根」「同・いか大根」「同・つみれ大根」の惣菜3品は、JAちばみどりのダイコンを共通食材に、千葉県産のブリ、イカ、イワシを使用した。

 JA全農生活リテール部商品開発課の山崎初広課長は、「家庭での調理機会が減少している中、それでも国産でのおいしいものを、もっと食べたい」との声を受け、「品揃えを充実するためヘルシーな魚料理も取り入れ、バリエーションを増やした」と、開発経緯を話す。水産物の扱いは初めてだったが、アミノ酸のうま味成分が豊富で、乱切りにしたダイコンに、その味をしっかり染み込ませている。
 本シリーズは、原材料から製造工場まで千葉県で完結させたことで、素材を鮮度よく扱えたそうだ。千葉から発信した、今回の“千産千消・千産全消”の商品をモデルケースとして「野菜と魚がおいしい街はまだまだある。これをきっかけに、地元食・伝統食などをコンセプトとした開発で、シリーズ強化が図れれば」と、今後の展開も示唆する。

 商品は湯煎やレンジ加熱で手軽に調理できる、「パウチ惣菜」形態とした。賞味期限は67日。1パック当たりの塩分含有量を1・5?に抑え、高齢、高血圧の人にも配慮するなど、現代の生活環境に合致させた。販売はJAグループのAコープ店舗や千葉県内の量販店ほか。今後さらに窓口を広げていくという。

郷土色濃く、魚+野菜料理を提案

魚を売るために、野菜と手を組めないだろうか

 魚と野菜を使った料理は、「ブリ大根」や「サケのちゃんちゃん焼」など、料理名が確立されているものだけでない。最近では生野菜と一緒に、サラダ感覚で刺身を食べる場面も増えてきたが、多くは煮物や鍋、汁物、蒸し物ほか、日常すぎる料理が一般的だ。

 一方で売り手は、野菜と魚をそれぞれ単体で売り、料理への仕上げを消費者に任せてきた。だが現代では、その再現性が難しいという。

 ならば、漁業・水産加工から野菜を巻き込み、製品化できないか。都会に住む現代人の味覚にも受け入れられる魚+野菜料理は、まだまだ農漁村に眠っているはずだ。

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